近年の展示会来場者事情について【展マス第4回】

コラム

2018.06.22

こんにちは！凄い展示会セクションの浅野です。本日は特集第１弾！
近年の展示会来場者事情についてお話ししたいと思います。

展示会・イベントの様子

展示会来場者の変化は出展者にも必ず影響を与えます。意味のある展示会にするためにも、出展者は展示会来場者の現状をしっかり把握しておくことが必要なのです。
私自身が書いているにもかかわらず、思わず納得してしまうような内容になっています。読んで得すること間違いなし！

【展示会来場者の変化】

来場者の展示会利用目的は「情報収集」であると何度もお話ししてきました。しかし「何故、情報収集をしているか」について詳しく語ってきませんでした。それにはワケがあるんです。
「情報収集」という目的は昔も今も変わりありません。しかし、「何故、情報収集をするのか」については、変化が生じているんです。

【以前の展示会来場者】

まずは以前の来場者から見ていきましょう。第２回展示会のWhy【展示会の始まり】にて、私はこんなことを言いました。

『市で行われていた「その場」での商売は、商品の見本を展示しその場で売買の契約を交わす。そして後日商品を届けるといった「長期的」な商売に変わっていきました。
これが展示会の始まりです。』

以前の展示会来場者はその場で売買の契約を交わしていた。と、いうことは・・・以前の展示会来場者には具体的な悩みや要望などの明確な課題があり、それらを解決するために情報を収集するために展示会に訪れる人が多かったということになります。そうでなければその場で契約なんてしませんよね。
しかし、今はそうはいかなくなってきているんです。

【現在の展示会来場者】

現在の展示会では、その場での契約はおろか、出展後すぐに契約につながる確率すらも減少しているのです。その原因は以下の２つです。

①日本経済の停滞

日本の経済は長年停滞しています。日本経済の停滞が影響している業界も数多くあり、さらにそれが展示会来場者が使える予算にも影響しているのです。となると、簡単に商品を購入していたら最悪破産してしまいますよね。つまり、現在の来場者は購入の決定にとても慎重になっている＝財布の紐が固くなっているんです。

②展示会滞在時間が短い

第１回【展示会のWhat】にて展示会を夏祭りに例えて説明したことがありましたが、展示会ってそんな生ぬるいもんじゃありません。大規模な展示会になると1000〜2000社もの企業が出展します。展示会会場日本最大級の東京ビックサイトは、３棟あり、屋内だけでも計１２ホール。開催期間は平均で３〜４日です。
あなたはこの情報を聞いてどう思いますか？全部回ろうと思いますか？・・・思わないですよね。
それは他の人も同じ考えのようで、２日以上来場して。展示会来場者のほとんどはビジネスマン。忙しい中、展示会に訪れる人がほとんどです。全部見てる時間なんてありません。時間を割けたとしてもせいぜい１日でしょう。たとえ全部見たとしても全てが自身の取引に関係あるものという保証もないですし、普通に考えてめちゃくちゃしんどいですよね。

これらが原因で現在の展示会来場者は具体的な購入の目的や意欲が薄くなっているのです。そのため、今の来場者は明確な課題もなくただなんとなく情報収集しにやってくるという人が増加してきています。

【展示会来場者の変化による影響】

「目的理由が変わったところで目的は変わっていないので、大したことではないのでは？」と、思う方もいるかもしれません。しかし、目的の理由が変化したことによってもう１つ変化したことがあるんです。それは、展示会来場者の特性です。
以前の展示会はその場での契約が多かったが故に、企業の決裁者や意思決定者が多くを占めていました。しかし、現在はその場での契約もなく、展示会に来場する目的理由も漠然としたものとなっています。そのため担当者レベル（＝決裁権を持たない人）が多くなってきているのです。